はるなクリニックブログ腸内環境④ 牛乳・乳製品

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腸内環境④ 牛乳・乳製品

2018/04/09

新学期が始まり、いたるところでピカピカのカバンと制服に包まれた学生たちをみると、微笑ましい気持ちになります。
うちの子供たちもそんなときがあったなあと。
4月に入ってからはクリニック前の桜の木もすっかり葉桜になりましたが、今年は風のなく桜がしばらくきれいでしたね。

さて、今回は前回の続きで牛乳・乳製品の話をしますね。

牛乳にはカゼインというたんぱく質が8割くらいを占めてます。それを消化できる酵素を持っているのは牛であり人ではありません。
なので牛乳を消化できる酵素を人はあまり持ってません。
また、牛乳は殺菌のために加熱されておりタンパク質が変性しているので酵素も失われているし余計に消化できないのです。
その消化できないタンパク質、つまりカゼインが未消化のまま腸内へ送り込まれることにより腸内に刺激を加えて炎症を起こします。
これが食物アレルギーなのです。

食物アレルギーには一般に保険でも検査できる即時型と海外で行われている自費検査になる遅延型があります。
即時型の場合は、検査で出る場合や症状ですぐにわかりますが、検査でも出てないのに湿疹やかゆみがなかなか治らないのは遅延型アレルギーの可能性があります。

遅延型アレルギーはアレルギーというよりも腸内環境を悪くする、腸に炎症を与えるものと考えます。
この検査は、海外に出して検査してもらうので日本の検査会社ではできません。
ちなみに当院では遅延型アレルギー検査もしております。

カゼインが未消化で腸に送り込まれ、腸に炎症を起こすことで腸粘膜のつながりが荒くなり透過性といって不必要なものは通さないようにできているバリアが破たんし、様々な不必要なものが体内に流れ込んだり、必要な栄養の吸収障害がおこったり、腸内免疫機能が狂ったりしてきます。
この状態をリーキーガット症候群と言います。

それが慢性的なアレルギー症状や免疫異常を起こしているのです。

また、牛乳のカゼインからカソモルフィンというモルヒネ様物質が出るために依存性が出てきて、牛乳が好きでなかなかやめれないといったことが起こるのです。

牛乳が大好きというケースが実は牛乳に依存的で本当は悪影響を受けているのではないかとも考えられます。

日本人が何故、牛乳は体に良いと思っているのか?

それは、戦後の食糧難からカルシウム源としての牛乳が入ってきたこともありますが、もう一つアメリカのスポック博士の書いた育児書も影響していると思われます。
スポック博士は1946年に小児科医としてスポック博士の育児書を発行しました。
これはベストセラーになり、後日日本にも翻訳されて入ってきました。

実はこれ、私が小児科の研修医の時にも参考として読んでました。
そこには、牛乳や乳製品を積極的にとることが書いてました。
しかし、晩年、スポック博士はこれは間違いであると認め、牛乳や乳製品はとるべきではないということを第7版で改訂されてます。
ところが、この改訂版は日本では翻訳されてはないのです。
日本人のほとんどはそのことを知らずに、牛乳は体に良いものとして保育園でも学校でも給食として牛乳が付けられてます。
また、子供に限らず大人やお年寄りまでもが信じてます。
病院でも牛乳が出ますし、老人ホームでも出てます。

私は、全ての人に牛乳・乳製品を絶対にとるなとは言ってませんが、せめて常にとることは控えたらと思います。

ただし、アレルギー症状やその他の不調がある場合は少し毎日食べている食事のことも考えてみては、腸内環境も事も考えてみてはと思います。

食事は簡単でお金もかかりませんが、依存性や利便性もあり一番難しいものだと思ってます。
これには、地道な食事指導が必要な場合もあります。
私は、ストレスをかけずに実践してもらえるように、特にここに時間を掛けながらその人の生活パターンにあった食事の指導をするように心がけてます。

いいことを言っても実践してもらえなければ意味ないですからね。

 

 

 

春名令子

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